シードルとは、りんご類を原料に作られたアルコール飲料のこと。日本では「シードル = りんごから造られた、甘い炭酸アルコール飲料」のイメージが強いけれど、洋梨から造られたシードル も存在する。
シードルの語源は古典ギリシア語 / ヘブライ語まで遡れるらしい。それが中世ラテン語の sīcĕra となり、現代の cidre / cider / sidra へと繋がっていく。
手許の『研究社 羅和辞典』(2000年第34刷版)にはsīcĕra は収録されていなかったものの、代わりに派生語を見つけた。曰く、
但しアルコール飲料の原料については特段言及されていない。vin / 葡萄 = vinum / 葡萄酒を意味するのに対し、りんごを意味するラテン語 malum とは対応していない点は謎だ。
食事からおやつまで、ペアリング自在
一口にシードルといっても、その味わいは千差万別。甘くジュース感覚で飲めるものから、ホップ入りでビールのような爽やかな苦みが際立つもの、樽熟成で渋みやオイリーな質感を持つものまで、本当に幅が広い。
そのため、和食のようなさっぱりした料理から、バターやオイルたっぷりのこってり濃厚系の一皿まで、幅広いペアリングが可能。更に、ガレットなどのおやつ/軽食にもぴたりとはまるボトルを見つけられるのがシードルの魅力の一つ。ペアリングのお好みは人それぞれだけれど、概ねの傾向は以下の通り。
ホップ、果物など副材料を組み合わせたタイプ
りんごや洋梨100%など、主原料と酵母を主体として作られるシードルのほか、ホップや果物などの副材料を組み合わせた製品もバラエティ豊か。
ホップ添加タイプはビール風の爽快な苦みで、甘口イメージのシードル像を覆される。翻ってフルーツタイプはカシスなどのベリー類、葡萄、柑橘類など多様で、総じて甘口タイプが多めの印象。
樽醗酵 / 熟成タイプ
https://cidermaniacs.blogspot.com/p/cidre.html 現代のシードル作りは、醗酵にステンレスタンクを使うのが主流だそう。これに対し、伝統的な樽を使ったシードルは、重厚感のある香味とやや濃い色味が特徴。また、ワインやリキュール、蒸留酒などの古樽を用いることで、複雑な香りを付加しているものも。
このような重めのタイプのシードルは、冷やしすぎない方がその香味を楽しめるように思う。
スパークリングタイプとスティルタイプ
炭酸のイメージが強いシードルだけれど、スティル(無炭酸)タイプも存在する。スティルタイプは炭酸がない分、香味やアルコール感がより鮮やかに感じられるものが多い。
またスティルタイプは、スパークリングタイプよりも気持ち温度高めで戴く方が、香りの輪郭が際立ってお勧め。